Before
成果も、暮らしも、感情も——できるだけ自分の管理下に。それが、結果を支えてきた強さだった。
After
握っていた手綱をゆるめ、コントロールの外側を自分の意志で選ぶ。選ばないことを選ぶ、冒険的な生き方へ。
はじめに
成果も、暮らしも、感情も——できるだけ自分の管理下に置いてきた。本ケースは、そうやって結果を出してきた一人の経営幹部が、握っていた手綱を少しゆるめ、自分の人生を自分でリードし直していった、全6回の記録です。仕事の成否ではなく、生き方そのものがテーマでした。
すべてを、自分の管理下に
リスクをコントロールし、失敗を防ぎ、目標から逆算して意味さえ自分で作り出す。仕事でも暮らしでも、できるだけ多くを自分の管理下に置いてきました。ヒト・モノ・カネも、ひと通り手にしています。それは、成果を支えてきた確かな強さでもありました。
コントロールの外に、答えがあるかもしれない
では、次は何を望むのか。まわりには「もっと、もっと」と成果を追い続ける人もいますが、その渇望はどこかしっくりこない。かといって、「これで十分」と足るを知り、望むことを手放してしまうのも、自分には受け入れがたい——。どちらでもない、第三の道はないか。対話を重ねる中で、一つの軸が言葉になっていきます。意味は、自分で「作る」だけでなく、想定外の出来事や、人との関係、感謝の中で「出会う」ものでもある。自分の管理の外側に、まだ見ぬ充実があるのではないか、と。
手放すのではなく、自分で選ぶ
大切なのは、コントロールを捨てることではありませんでした。管理の外側へ、自分の意志で一歩を踏み出すこと。これまでなら避けていた誘いや頼まれごとを、あえて引き受けてみる。偶然に流されるのではなく、偶然が起きる場所を、自分で選ぶ。「使命は、探して見つけるより、動いた先で出会うものかもしれない」。舵は、あくまで自分が握ったままでした。
ひとりでは、踏み出さない一歩を
こうした変化を、ご本人はコーチングの場と結びつけて振り返ります。「頭の中でぼんやり考えていたことを、全部出して、言葉にできた。そのログが、後から自分の素材になる」。そして——「一人だと、なかなかやらない。だからこそ、伴走してもらう場に意味がある」。安心して話せる場だからこそ、深いところまで話せた、とも語っています。
結び
誰かに整えられた道でも、流されるままでもなく、自分で選び取ることが美徳になる時代。しかしすべてを自分で管理するのではなく、「リスク」にオープンになって、人生を楽しむ冒険的な生き方へ——。すべてを管理できる優秀な自分から、次のステージへ。その目は、前へ進む意欲に満ちていました。